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​天魔星アルラウネのクィーン

天魔星アルラウネの冥闘士でラダマンティス直属の配下の1人。

 

美女の樹霊アルラウネを冠し、胸部のふくらみなど女体をイメージさせる冥衣のデザインも手伝って、素顔を晒すまで性別不明のキャラと見なされていた。

 

もっともその素顔も黒髪の中性的な顔立ちなのでそれはそれで紛らわしくもある。

斬撃系統の必殺技

必殺技のブラッドフラウアシザーズは作中でも珍しい斬撃系統のようだ。

 

両腕を上方にかざした技発動モーションの背後に、無数の花弁と降下するギロチンの刃のイメージ画像が浮かぶ。


 

設定上は闘気を刃状に変えて相手の首を刎ねる技らしく、直接物理攻撃であるシュラの聖剣やカペラの円盤とは似て非なるもののようだ。

 

伝説のアルラウネは絞首刑に処された男性の血や精液から生まれるらしいので、それをモチーフにしたと思われる。

 

地味ながらも美女、花、血、首といったキーワードがこの技ひとつに集約されているのだ。




 

クィーンの初登場シーンは地上のハーデス城である。

 

崩壊間際のハーデス城の中で対峙するラダマンティスと星矢ら青銅聖闘士の間に割って入る形でバレンタインら他の冥闘士たちと共に登場した。

 

もっともこの場面ではこれといったセリフもなく、冥界での再戦を匂わせる程度で出番を終える。

三人一組による雑な扱い

しかし冥界編連載途中で打ち切りが決まったのか、クィーンらはこれといった出番無きままストーリーが駆け足で進行していく有様であった。

 

冥界で出番を持たせねばならないキャラであるにもかかわらず、その出し所を与えられぬまま、物語の焦点はすでにファイナルステージであるエリシオンに向けられてしまった。

 

ハッキリ言って伏線未消化のクィーン(とシルフィードとゴードン)は作中で飼い殺し状態となってしまったようなものである。




 

嘆きの壁を破壊し、先に向かったアテナを追ってエリシオンへ進もうとする星矢たちの討手としてようやくクィーンらが作中に登場する。

 

本来ならば冥界編の中ボスあたりの役目を振り分けられたであろうクィーンだが、もはや在庫一掃セールのごとき扱いでシルフィードやゴードンと共に紫龍とのバトルをあてがわれてしまう。


 

ここでのクィーンの戦闘描写は、前述のブラッドフラウアシザーズを放つもその間隙を突かれて紫龍の聖剣で首に傷を負う、ただこれだけであった。

 

後は3人で一斉に紫龍に襲い掛かり、百龍覇を食らって敗北する不遇さである。


 

作者としても、特に描く必要も無くなったキャラたちにいちいちスポットを当てる気にならなかったのだろう。

 

3人まとめて登場させ、3人まとめてぶっ飛ばされるのが手っ取り早いという結論に落ち着いたのだと思われる。

オブジェ形態が美しいアルラウネの冥衣

冥界編の冥闘士は作中展開の恵まれないキャラが多く、クィーンもその一人である。

 

だが仮に打ち切りが確定していなかったとしてもクィーンが活躍できたかと言うと、その可能性は低いかもしれない。

 

なぜならクィーンの技は斬撃系統だからである。

 

車田漫画において首刎ねシーンのほとんどが幻覚か夢のどちらかだ。

 

主要キャラの首を刎ねさせるわけにはいかないという漫画的都合が働く以上、クィーンの活躍描写は制限されてしまう。

 

ブラッドフラウアシザーズ以外の技を設けない限り、クィーンが八面六臂の活躍をするのは難しいと言える。




 

そんなクィーンだが、彼の纏うアルラウネの冥衣はそのオブジェ形態のデザインが秀逸である。

 

女性系のアンドロメダや乙女座の聖衣デザインが至って平凡なのに対し、アルラウネは花弁から上半身を覗かせる女性という洗練されたデザインに仕上がっているのだ。

 

分解装着図のデザイン性なら作中でもトップレベルの美しさである。

 

不遇キャラのクィーンに花を添えるのはこの一点であろうか(アルラウネだけに)。

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