
狼星座の那智
ウルフの青銅聖闘士。
城戸光政の100人の子の1人。
作中での立ち位置は邪武や市たちと同じく青銅2軍であるが、星矢と対戦した檄やネタ要素のある蛮に比べるとやや影が薄い感がある。
アニメでは「パーフェクト!」というネタセリフがあるものの、原作の那智にはそれに相応する見せ場がほとんどないのだ。
鳳凰幻魔拳の最初の犠牲者
那智もまた銀河戦争の参加者であり、その対戦相手は不運にも青銅最強のフェニックス一輝である。
1回戦第4試合だが一輝がいつになっても会場に到着しないため那智の試合はどんどん後回しにされ、先に2回戦のカードである星矢対紫龍、瞬対邪武が催される有様であった。
邪武と瞬の試合の真っ最中に一輝が登場(というより乱入)し、ここでやっと那智に出番が回ってきたのである。
ちなみにこの時点で銀河戦争は5日目に突入しているので、那智はお預けを食らった犬の気分だったろう。
瞬を痛めつけ、邪武を軽く一蹴した一輝の前に那智はさっそうと登場した。
ザザッという疾走音を立てて一輝に迫り、次のコマでは一輝が防御態勢を取っていることから挨拶代わりの攻撃でも撃ち込んだのだろう。
そしてさらに次のコマで一輝の前にその姿を現すのだ。
不敵な笑みを浮かべてやる気満々である。
だが那智の雄姿はここまでだった。
一輝の鳳凰幻魔拳(作中には技名を叫ぶシーンは無いが)を食らい、時間にしてわずか2秒かそこらで精神をズタズタにされて地に伏したのだ。
那智が見た悪夢は相当グロく悲惨である。
一輝の拳で両腕と両足を吹き飛ばされ、内臓は飛散し、最後には断末魔の叫びと共に首を刎ねられたのだ。
那智もまた他の兄弟と同じく地獄のような思いを経て聖闘士になったのだが、それ以上の地獄を見せられる結果となった。
聖域十二宮編で再登場
幻魔拳の後遺症は無い?
もはや再起不能レベルのトラウマとなってもおかしくないのだが、那智は聖域編半ばで他の青銅2軍の面々と共に再登場を果たす。
銀河戦争の敗戦後、師のもとで再び聖闘士の厳しい修行を積んできたのだ。
雑兵相手ではあるが、ここではじめて那智の必殺技デッドハウリングが初登場となる。
これは音速拳により発生したカマイタチで相手を切り裂く技らしいが、シュラのエクスカリバーの劣化版と言うところか。
むしろ「リングにかけろ」に登場したフランスボクサーたちの真空拳と同原理かもしれない。
さらには「辰巳さん大丈夫かよ」と辰巳を気遣う余裕顔まで見せている。
一度は一輝に精神を破壊された那智がよくもここまで立ち直れたものだ。
その後の冥王編では市と共に聖域の見回りを行ったり、侵入者の黒マントとの戦闘シーンがあるが、それを見る限り幻魔拳の後遺症は無い様だ。
もしかしたら精神面はタフなのだろうか。